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勘違いしやすいパワー計測グラフの見方
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勘違いしやすいパワー計測グラフの見方
皆さんは車にパワーやトルクを求める場合、まず気になるパーツのレビューやパワー計測グラフを見る事でしょう。
特にパーツメーカーがネット掲載してる計測グラフや、量販店でのセールイベント等でそれらを見ると
「 これだけ下からトルクやパワーが出てるなら… 」
と、気分も盛り上がって購入に繋がってしまうのは、私的にもよく判ります。
でも取り付けて少し経った頃に街乗りとかで、ふと思うんですよ。
「 あれっ? 何かトルクも無いし乗りにくい? 遅くなってる? 」
メーカーの計測グラフは嘘だった? 騙された?
いえいえ、そんな事はありません。
無論、計測グラフは車両個体差等もあって全ての車でそうなるモノではないですが、流石に大きくかけ離れる事はないでしょう。
では何故か??
それはまず、グラフの見方が良くないんです。
よく考えてみて下さい。
パワーを測る際、アクセルペダルは必ずベタ踏み状態です。
アクセル全開だからこそ、吸気も排気も純正より流れやすい社外パーツでパワーもトルクも引き出されます。
つまりサーキットとかスポーツ走行状態ならばパーツの恩恵を正しく受けられます。
しかし、街乗りではどうでしょうか。
誰もサーキット走行のようなアクセル全開をしないですからね。
アクセル開度が低ければ、吸気も排気も流速は早くありません。
そこに効率を求めた通気性の良いエアクリ、抜けの良いメタキャタ、太いマフラーで更に流速は低下です。
流速が低下すれば吸気充填効率も低下し、エンジンは本来の性能も出せない事でしょう。
特にノーマル ECU ではレスポンスは悪化し、パワーやトルクは高回転域に入らないと引き出しにくくなってしまいます。
まさに、よく聞く 「 社外エアクリやマフラーに交換すると下がスカスカになる 」 って状態です。
アクセル全開での計測グラフを見て、それが全てと思ってはいけないって事ですね。
じゃあ、どうすれば良かったのか?
まずは取捨選択を間違えない事。
自分が得たい性能に対し、要るモノ・要らないモノを間違えないようにしないとですね。
まず、パワー計測グラフはアクセルをベタ踏みの全開状態で計測、って事をよく理解しましょう。
先にも述べたようにアクセル全開だからこそ、抜けの良い社外パーツでパワーもトルクも引き出せる。
つまり、抜けの良くなった吸排気には、ノーマル ECU や今まで通りの走らせ方では街乗りが辛いんです。
それはそうですよね。(^^ゞ
ノーマル ECU は、フルノーマル状態でこそ真価を発揮するんですから。
決して社外のエアクリやマフラーに最適なワケがないんです。
なので、基本的には社外の吸排気パーツを付けたのならば、ECU はチューンしておくのが必須かと。
例えば社外パーツ類に合わせてバルタイがいじってあるだけでも結構変わります。
そもそも近年のガソリンエンジンは、可変バルタイの進化の恩恵が非常に大きい。
各回転毎にバルブ開閉タイミングを変化させる事で、吸気充填効率を最大限に引き出していますからね。
ただし、ノーマル ECU では吸排気パーツがフルノーマルである事が大前提。
当然、チューニングではこれを社外パーツ向けに最適化してあげるのが重要なんです。
次に、今までとは乗り方を変えるのがキモとなります。
燃費等を気にして回転を抑えて走ろうとすると、実は効率が悪くなってかえって燃費が悪くなる事も。
あえて今までより少し踏みこんで回転を上げ、パワーとトルクを引き出してやると良いでしょう。
上がったパワーを上手く使えば、その分、アクセルを閉じれる時間も増えて燃料消費も抑えられます。
実走行させながら、どう走らせれば良くなるのか憶えて行くのが肝要。
ちょっとした違いで、気持ちの良いパワーフィールと爽快な走りを得られます。
このあたりは フラッシュエディター特別仕様版 のユーザー様からも同様のご感想を多く頂いております。
あとは無暗に何でもかんでもパーツ交換したり、その逆に一部品だけしか交換しない、…と言うのはNGでしょう。
チューニングを行うならばトータルバランスを常に気を付けなければなりません。
チューニングバランスが悪ければ、それは性能ダウンを意味するからです。
まとめると、
・ パワー計測グラフは、街乗りとは全く違う条件下で測られたモノと理解する
・ 社外の吸排気パーツには、それに見合った ECU チューニング + 走らせ方をする
・ 得たい性能と走りをしっかりと見据え、そのための部品選定を間違えない事
…が良いチューニングライフの秘訣ではないでしょうか。